「そうです、私が変なおじさんです」は誤用!?「は」と「が」の正しい使い方

「私は」「私が」。
普段誰かとおしゃべりをする時に、「は」と「が」を明確に区別して話すことはほとんどないですよね。考えたこともない方も多いかもしれません。

「大して変わりない」と思うかもしれませんが、「は」「が」のたった1文字で、意味がガラッと変わってしまうんです。

「は」と「が」は助詞

・私「は」夕食を食べた
・私「が」夕食を食べた

こういった時に使われる「は」「が」は、助詞という品詞です。助詞は言葉と言葉の関係性を表わすために使われます。

助詞の中にも「格助詞」「接続助詞」「副助詞」「終助詞」など、いろいろと種類があるのですが、この記事ではそういった細かい部分は一旦置いておき、「助詞ひとつでこんなに意味が変わってきてしまう」という助詞の重要性を考えたいと思います。

どちらを使うのがいい?

では「は」と「が」が具体的にどう違うのか、文例を使って見てみましょう。

・私「は」夕食を食べた
・私「が」夕食を食べた

先程のこちらの文例、両方とも「夕食を食べた」のは「私」、という事実は同じです。この一文だけでは明確な違いが分かりにくいのですが、もしこれが「質問に対する回答だったら」と考えると違いが明確になってきます。

 

Q「あなたはさっきなにをしていましたか?」
A「私夕食を食べていました」

Q「夕食を食べたのは誰ですか?」
A「私夕食を食べました」

お分かりでしょうか?
「は」は、「私」のことを話している時に登場するのに対し、「が」は「夕食」のことを話している時に登場しています。分かりやすくするために、それぞれの質問文を入れ替えてみましょう。

Q「あなたはさっきなにをしていましたか?」
A「私夕食を食べていました」

Q「夕食を食べたのは誰ですか?」
A「私夕食を食べました」

なんだか会話がチグハグになっていますね。
これは「あなた」について聞いている時に「夕食」について答えている、「夕食」について聞いている時に「私」について答えている、というニュアンスのズレから生じる違和感です。

「そうです、私が変なおじさんです」は、実は誤用

志村けんさんのコント「変なおじさん」に必ず出てくるフレーズに「そうです、私が変なおじさんです」があります。実はこのフレーズに出てくる「が」は誤用。流れを追ってみると、毎回以下のようになっています。

「このおじさんへんなんです!」(女性)

なんだ君は!」(男性)

「なんだ君はってか?そうです私が変なおじさんです」(志村けん)

会話が成立していないのが分かりますよね?

このとき警察が、「君があの有名な変なおじさんか?」と聞いていれば「そうです、私が変なおじさんです」でも正しいのですが、このケースでは「そうです」も「私が」も(日本語的には)使ってはいけない表現なんです。

というわけで正しい表現に校正してみました。

「このおじさんへんなんです!」(女性)

なんだ君は!」(警察)

「なんだ君はってか?どうも私は変なおじさんです」(志村けん)

校正しておいてなんですが、あまりしっくりきませんね……。表現としては誤りですが、ギャグとしては正解、ということですね。

まだまだある助詞

助詞は「は」と「が」だけではなく、他にもさまざまなものがあります。
「を」「の」「で」「と」「から」「まで」なども助詞です。助詞は使い方次第で単語と単語の関係性が変わるので、文がもつ意味も大きく変わってしまいます。

例えば「窓を閉める」「窓が閉まる」。「を」を「が」に変え、対応する語尾も入れ替えたのですが、この2つは全く意味が違いますね。もう少し補足するとこんな感じでしょうか?

「窓を閉める」

私が窓を閉める

「窓が閉まる」

ひとりでに窓が閉まる。

 

「窓を閉める」には、私や誰かが閉めた、という意味合いが含まれていますが、「窓が閉まる」には誰がという意味合いはないので、勝手に閉まった、気付いたら閉まっていたというニュアンスになります。

ライターの皆さんも、助詞を選ぶときには自分なりのイメージを込めるようにしてみてくださいね。

悩んだ時に助かる辞典

今回は「は」と「が」を中心に、一部の助詞だけ紹介しました。助詞は種類が多く、使われるケースも多岐にわたるので、申し訳ないですがとてもここでは全てを紹介することはできません。

「もっと助詞について詳しく知りたい」という方は、「てにをは辞典」を利用するのがオススメです。

てにをは辞典|三省堂

例えば「記事」で引いてみると、

~「が」並ぶ・載る・
「を」集める・引用する
「に」集中する・見入る
「の」ねた・文責

※一部省略しています

というように、単語に紐づくそれぞれの助詞から考えられる文の展開がずらっと書いてあります。「ここの助詞ってどうすればいいんだろう」と思った時に便利ですよ!

まとめ

いかがでしょうか?「は」「が」をはじめとした助詞を正しく使うことができれば、もっと読みやすい文章になります。

一度「ここの助詞は合っているかな?」という目線で、自分が書いた文章を読みなおしてみましょう。

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